「観光」は、 21世紀の リーディング産業【国際】

「観光」は、 21世紀の リーディング産業

目標は訪日外国人旅行者1000万人

「観光」は、 21世紀の リーディング産業 - 観光を楽しむには、平和で豊かな社会の実現 -
「観光」は、旅行・宿泊・輸送・飲食・お土産業など広い範囲に経済効果をもたらし、21世紀のリーディング産業と目されています。平成20年度の二次的な経済波及効果を含む生産効果は、国内生産額972兆円の5・3%にあたる51・4兆円、雇用効果は総雇用64
45万人の6・7%の430万人が関わっていると推計されています。
 このように、「観光」がわが国の経済、雇用、地域の活性化に大きく貢献していることが数字の上からも理解できます。さらに、観光を楽しむためには、国際平和と国民生活の安定という豊かな社会を実現させなくてはなりません。
 日本は、観光が果たすこうした使命の大きさを実現させるため、観光立国「日本」をめざして環境の整備を進めています。

- ビジット・ジャパン・キャンペーンを展開 -
 わが国が観光立国をめざすようになったのは、小泉元総理大臣が2003年(平成15年)1月に観光立国として基本的なあり方を検討する「観光立国懇談会」を発足させたことが契機になりました。直後の施政方針演説で、「2010年までに訪日外国人旅行者を1000万人にする」と倍増計画を打ち上げました。これを受け、4月にはビジット・ジャパン・キャンペーンが始まり、12月には議員立法によって「観光立国推進基本法」が可決され、2007年(平成19年)1月から施行されています。
 ビジット・ジャパン・キャンペーンの一環として、女優の木村佳乃さんがわが国第一号の「観光広報大使」に任命されたのは2004年(平成16年)のこと。主な仕事は、外国人旅行者の訪日を促進するため、日本の魅力を世界中にアピールすることです。また、ビジット・ジャパン・キャンペーンのロゴマーク「YOKOSO!JAPAN」は、各種資料やポスター、それに航空機の機体に描かれ目にした人も多いかと思います。
「観光」は、 21世紀の リーディング産業 - 訪日促進重点国・地域を指定 -
 ビジット・ジャパン・キャンペーンでは、各種啓蒙活動とともに訪日外国人旅行者の増加をめざした具体的な活動にも取り組みました。
 まず、訪日外国人旅行者の増加が見込める国や地域を「促進重点国・地域」と定め、それぞれの国情に見合った広報活動を展開してきました。2003年には韓国、台湾、アメリカ、中国、香港を促進重点国・地域に認定しました。翌2004年には、イギリス、ドイツ、フランスが加わり、2005年にはタイ、シンガポール、オーストラリア、カナダが追加されました。

- 観光ビザの緩和などで旅行者増を -
また、観光ビザの緩和も行いました。外国に行くときは「パスポート」と「ビザ(査証)」が必要です。パスポートは、自国民であることを国が証明するもので、外国に行くときは絶対に必要です。一方、ビザは訪問しようとする国が、「来てもいいですよ」と入国許可を与えるものです。観光旅行など短期間の入国では、ビザを必要としない国もあります。日本の場合、アメリカやヨーロッパを除いて原則的にビザが必要です。
 2004年度から、韓国・中国・台湾からの修学旅行生に対し、ビザの免除などの措置を開始しました。愛知万博が開催された2005年には、韓国・台湾からの観光客に対して免除を行い、中国に対しても地域を限定して発給していた団体観光ビザを全土に拡大し、愛知万博終了後も延長されています。

- 外国人旅行者受け入れは世界で28位、アジアで6位 -
 2003年当時、日本人の海外旅行者数が1652万人だったのに対し、訪日外国人旅行者数は524万人に過ぎません。海外からの集客活動を行った2008年(平成20年)には、わが国を訪れた外国人旅行者数は835・1万人と過去最高を記録し、その7割近くが韓国、台湾、中国、香港などのアジア諸国となっています。一方、日本人海外旅行者数は、経済状況の悪化などで減少したものの1599万人を記録し、訪日外国旅行者との差は依然として大きく開いています。
 外国人旅行者受入数を諸外国と比較すると、日本は世界で第28位、アジアで第6位となっているように、観光立国をめざすには寂しい数字が並ぶばかりです。

- 観光庁を設立し、観光立国に加速 -
 外国人旅行者の促進という大きな目標を課せられた国土交通省は、観光立国構築を総合的かつ計画的に推進させるため、2008年10月に国土交通省の外局として観光庁を設置しました。新設された観光庁は5つの具体的目標を掲げて活動を行っています。それは、①訪日外国人旅行者数1000万人、②日本人の海外旅行者数2000万人、③観光旅行消費額30兆円、④日本人の国内旅行における宿泊数4泊、⑤日本での国際会議の開催件数の5割増しという5つの目標です。
 観光庁はこの目標を実現するため、国際競争力の高い魅力ある観光地の形成、観光産業に寄与できる人材の育成、国際相互交流による国際観光の促進、旅行者のニーズに合った観光産業の高度化、観光旅行促進のための休暇取得の促進や安全対策など、観光を楽しみやすい環境整備に力を注いでいます。

- 「観光学」に寄せられる熱い視線 -
 観光立国日本を構築させるには、これまで紹介してきたようにさまざまな努力が必要になります。その中で若者の注目を集めているのが「観光学」。日本で一番早く1998年に観光学部を開設したのが立教大学で、それ以降、私立大学はもとより国公立大学でも「観光」を学べる学部・学科の開設が相次いでいます。
 従来、観光を学ぶということは旅行業とか宿泊業、交通業といった実務教育と見られてきました。しかし、観光は21世紀のリーディング産業ともいわれ、日本が直面する経済、雇用、地域の活性化という難問克服に大きな力を発揮することは間違いありません。このため、観光学の領域は、観光政策、観光文化、ホスピタリティ、観光経営、観光デザイン、それに当然のこととして、語学を学びマスターすることも求められます。
 そして、グローバルな視点では、豊かな世界の構築、世界平和に寄与するわけで観光を学ぶ重要性はより一層高まることでしょう。
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