2012年、 相次ぐ世界の リーダーの選挙【政治】

2012年、 相次ぐ世界の リーダーの選挙

 2012年は、世界の主要国といわれる国々のリーダーを選ぶ選挙が相次いで行われます。1月に台湾の総統選挙で馬英九氏が選出されたのを皮切りに、3月にはロシアでプーチン大統領が誕生。今後も
4月にはフランス、10月中国、11月アメリカ、12月は韓国と続きます。
 なかでも、アメリカの大統領選挙は世界情勢に大きな影響を与えるため、世界中から関心を集めています。こうして注目を集めるアメリカの大統領は、どのように選ばれているのでしょうか。他の主要国についても考えてみました。

2012年、 相次ぐ世界の リーダーの選挙 - 難問が山積み!アメリカの次期大統領は誰に? -
今年、世界の主要国で行われる国のトップを選ぶ選挙の中で、特に注目されるのがアメリカ大統領選挙です。11月に行われるアメリカ大統領選挙は、既にアメリカ国内で大きな盛り上がりを見せており、日本のメディアでも連日のように報道されています。
 今回の大統領選挙最大の争点は、経済問題だとされています。アメリカ経済は、2008年のリーマン・ショック以降停滞を続けています。この結果、全世界に大きな影響を与え、国内外で景気回復が待ち望まれているのです。また、外交面でもイラン、北朝鮮といった核保有国との関係やアフガン情勢などの難問が山積みです。こうした難問に取り組む次期大統領に、世界の関心が集まるのは当然といえます。
 では、このアメリカ大統領はどのようにして選出されるのか、その流れを追ってみましょう。

- 最大の特徴は一年に及ぶ選挙期間 -
 アメリカの大統領選挙は、オリンピック同様4年に一度、11月の第1火曜日に行われます。その最大の特徴は選挙期間の長さです。選挙の前年の夏ごろから候補者が名乗りを上げ、翌年1月の新大統領選出まで、1年を超える長丁場となります。有権者にとっては、各候補者の政策を吟味しながら、誰に一票を投じるかをじっくり決められる制度といえます。その反面、候補者にとっては気力と体力だけでなく、長い選挙戦を戦い抜く十分な資金力が求められます。
2012年、 相次ぐ世界の リーダーの選挙 - 予備選挙で党の候補者を選出 -
 アメリカは、ほとんどの国民が共和党または民主党を支持する典型的な「二大政党」国家です。これまで150年以上、二つの政党の間で政権交代を続けながら政治が行われてきました。そのため、大統領となるには、まず所属する政党から大統領候補者に選ばれなければなりません。今回、民主党の候補者は現大統領のオバマ氏で決定していますが、共和党は複数の候補者が立候補し、大統領候補者の選出をめぐって激しい予備選挙や党員集会を繰り広げています。
 予備選挙とは、党公認の大統領候補者を選ぶ選挙で、その結果に基づいて候補者に州ごとに割り当てられた「代議員数」が配分されます。一方、党員集会は投票ではなく話し合いや挙手で代議員を選びます。こうした事前選出は、各州が各党の方針に則って行われています。ここで選ばれた代議員は夏に開催される党大会に出席し、正式な候補者を選ぶ指名投票を行います。
 こうして選出された大統領候補者は、副大統領候補者を指名し、11月の本選挙に向けてラストスパートに入ります。この間、民主党と共和党の候補者によるテレビ討論や街頭演説などが活発に行なわれ、選挙戦の盛り上がりはピークに達します。


- 本選挙は各州に割り振られた「選挙人」の争奪戦 -
 本選挙は11月の第1火曜日と決められています。ですから、今回は11月6日に本選挙が行われます。
 この本選挙もアメリカ独特で、「選挙人」という制度が採られています。この大統領選挙人の総数は全米で538人存在し、州ごとに人数が割り当てられています。選挙人が最も多いのがカリフォルニア州で55人、次いでテキサス州の34人、ニューヨーク州の31人と続きます。最も少ない州はアラスカなどで3人です。
 一般の有権者は州ごとの本選挙で、候補者いずれかの名前を投票します。ここで最も票を獲得した大統領候補者が、州に割り当てられた選挙人を原則総取りするという仕組みです。こうして、全米の選挙人の過半数(270人)を獲得した候補が大統領に選出されます。
 このため、全国の一般投票で獲得票数1位になっても、選挙人の数が足りずに敗れるという事態が起こり得ます。実際、2000年の大統領選挙で、民主党のゴア氏が共和党のブッシュ前大統領より多くの票を集めたものの、選挙人が4名足りずに敗北した例があります。

- 複雑な制度には反対の声も -
 どうして単純に「獲得票数一位」といった選び方をしないのか、これにはアメリカが連邦国家であることと大きな関わりがあります。アメリカは英語でUnited States of Americaと呼ばれるように50の州、つまり50の国家の集まりです。
 アメリカは、古くから近代民主制を採用していましたが、当時はテレビもラジオも電話もなく情報が少ない環境でした。そのため、選挙の周知がとても困難だったのです。さらに、州と中央政府とが権力を分け合うという構想があり、各州の独立性を尊重できる仕組みとして、選挙人制度が考え出されたのです。
 しかし、有権者の意思が直接反映されないため、コロラド州が住人投票の数に応じて選挙人数を各候補に比例して分配するなどの動きもみられます。

- 今後の動きに世界が注目 -
 現在、共和党の大統領候補は、他の立候補者との政策の違いを訴えるとともに、オバマ大統領の諸政策を厳しく批判しています。長引く不況、それに伴う失業問題、海外派兵の在り方などを取り上げて政権交代を迫っています。
 一方、オバマ大統領は、医療保険制度改革や金融規制強化の推進など、自分の行ってきた政策の正しさを強調するとともに、高所得者への減税打ち切りなど格差是正を訴えています。
 アメリカの政策は諸外国にも大きな影響を及ぼします。なかでも、日本は政治・経済・外交など多くの分野でアメリカと深い関係を結んでいます。アメリカ大統領選挙は決して他人事ではありません。注意深く選挙戦の推移を見守っていきたいものです。
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