あなたの進学を助ける奨学金について
進学という選択
将来、やりがいのある仕事や納得のいく職場、豊かな生活に出会うための道として、学生の皆さんには「進学」の選択肢があります。例えば大学では勉強や周囲との関わりを通じて本当にやりたいことを見極めることができ、短大や専門学校では専門職の就職に有利な技術を在学期間中に身につけることが可能です。これにより、就職の幅や可能性が大きく広がることが、進学の大きな利点といえます。
しかし、進学にあたっては受験料から入学金、授業料など卒業までに多くの費用が必要になります。中には、個人や家庭の経済状況から進学を諦めようと考えている方もいるのではないでしょうか。
そういった方を対象に進学資金を助成してくれる取り組みが、「奨学金制度」です。
奨学金の種類と注意点
一口に「奨学金」といっても、様々な種類があります。
日本学生支援機構(JASSO)や新聞社のほか、民間企業や大学・短大・専門学校で実施されているものもあり、それぞれ異なる特徴や条件を持つため、内容や仕組みを事前に理解しておく必要があります。
<日本学生支援機構(JASSO)の奨学金>
最もポピュラーで利用数の多い奨学金制度。日本学生支援機構の奨学金には、金利負担のない『第一種奨学金』と、金利負担のある『第二種奨学金』の2種類があり、申込には日本学生支援が独自に設ける「学力基準」と「家計基準」をクリアする必要があります。公式ホームページでは目的や対象者別に案内入口が設置されているので、奨学金制度やその他学生支援について理解を深めたいという方にもおすすめです。
<新聞社が行う奨学金(新聞奨学金)>
新聞配達をしながら大学・短大・専門学校へ通い、新聞社から奨学金と給料を得て、経済的に支援してもらう制度です。毎月5,6万円程を返還義務のない「給付」という形で受けられるうえ、奨学金とは別に給料が支給されるのが大きな特徴です。企業によっては追加ボーナスが支給されるケースもあります。
<民間企業の奨学金>
公的な機関ではない“民間”でも、奨学金制度を設けている会社や団体がいくつかあります。有名どころでは、次世代の人材育成による社会貢献を目的とした「コカ・コーラ」の奨学金や、事故や病気などで保護者を亡くした学生に向けた「あしなが育英会」の奨学金などが挙げられます。民間の奨学金制度の多くは高校や大学などを通じて募集が行われており、返済義務がないケースも多いため人気ですが、採用枠が極めて少ない傾向にあります。
<大学・短大・専門学校の奨学金>
成績優秀者を対象とした給付奨学金や、経済的事情により学費を支払うのが困難な学生を対象とした貸与奨学金があります。独自の取り組みや数十種類の制度を実施しているところもあるため、詳細は各学校へ問い合わせてみましょう。
併せて注意すべき点は、申込の時期や方法、返還義務についてです。無金利、低金利が魅力の奨学金とはいえ、借りたお金はいつか返さなくてはなりません。そのことをよく踏まえたうえで、条件に合った制度はどれなのかをよく考えて利用しましょう。
奨学金制度の利用にあたって
大学・短大・専門学校で奨学金制度を利用する予定の方は、志望校の資料やパンフレットで内容や授業料などを調べ、どのような制度が最も有効かを早めに検討しておくことをおすすめします。(その他の奨学金の応募条件や申込み時期については各機関のホームページなどから確認できます。)
将来への糧となる進学を経済的な理由で断念することがないよう、奨学金についての理解を深め、各種制度を上手に活用した有意義な学生生活を実現しましょう。