生きている地球
- 生きものを有害な紫外線から守る大気は、薄まりながら800キロ上空まで存在する。下から対流圏、成層圏、中間圏、熱圏に分かれる。
- 生命が存在する惑星には液体の水がある。地球上では97%が海にある。海は地表面積の7割を占め、大気とともに地球の気候をつくり出す。
- 岩石のため地球の中心部に比べて軽く、プレートはその下のマントルに浮いている。活発な活動が地震や火山の噴火を引き起こす。
- カンラン岩などの岩石からなる固体の層。核と接する部分は液体マグマになり、深い部分と浅い部分が入れ替わる対流がある。
- 鉄からなり、外核は4000度の液体、内核は7000度だが高圧で固体状になっている。巨大なエネルギーを生む「発電装置」で磁場をもたらす。
- 海嶺とは海底にある大規模な山脈。新たな地表とプレートが生まれ、両側に離れていく場所でもある。マントルが海嶺の割れ目に向かって上昇していると考えられている。
- アメリカのハワイ諸島のある場所はホットスポットと呼ばれ、地下深いマントルから直接マグマが噴き上げている。太平洋プレートが動いてもホットスポットは動かないため、動いた山は死火山になり、ホットスポットに新たな火山ができる。ハワイ諸島はそうやって生まれた火山諸島で、プレートの動きを証拠立てる貴重な場所だ。
太平洋プレートはつめが伸びるくらいの速さ、1年で10㎝ほども動く。西側は北西に移動し、北米プレートやフィリピン海プレートとぶつかって海中深くに沈み込み、日本海溝や世界一深いマリアナ海溝をつくる。このあたりは2億年くらい前にできた海底。つまり、2億年かけて太平洋を東から西へ移動したともいえる。東端は東に移動している。
プレートがぶつかる付近にはたくさんの震源域(地震が起こる場所)があり、一定の周期で地震や噴火活動を繰り返している。日本がのっている北米プレートやフィリピン海プレートの端も引きずられるが、徐々に力をためて元に戻ろうと跳ね上がり、大地震となる。火山は、沈み込む時のまさつ熱などで溶けたマグマが地中にたまってできる。
■構造は?
プレートは地殻とマントルが接している部分で、マントル最上部の対流していない岩石層を含む。しかし、くわしい構造はわかっていない。陸のプレートと海のプレートの2種類があり、海のプレートは陸のプレートより重いため、境界では必ず海側が沈み込む。
■なぜ動く?
プレートが動くしくみも明らかではない。①プレートの新しい部分が押す②プレートはベルトコンベヤーで、動かすエネルギーは別にある③沈み込む古いプレートが引っ張るの説がある。③が有力で、沈み込んだプレートはマントルの上部にたまって重りとなり、引っ張っていると考えられている。たまりすぎると古いプレートはちぎれ、引っ張る力が変化するため、動く向きやスピードが変わる。
■マントルを動かす?
古いプレートがマントルを動かすという説がある。冷たいプレートがちぎれるとマントルの深い所まで落ちていく。その反動で別の場所で熱いマントルが上昇し、これがマントルの対流となっている。
- プレート上で動く大陸は長い時間をかけてくっついたり離れたりを繰り返してきた。世界一高いヒマラヤ山脈はユーラシア大陸にインド大陸がぶつかってできた。日本も二つのプレートにのった島がいくつもくっついて誕生した。現在は、すべての大陸がアジアに向かっている最中で、2億年後にはすべてが集まる巨大な大陸が誕生すると考えられている。
- 地球から数百光年ほどにある星が最後を迎えて「超新星爆発」という大爆発を起こすと、地球上に大量の放射線が届き、生きものはみな死に絶えてしまうだろう。近くで超新星爆発が起こる確率は数千万年に1度という。三葉虫など大昔の生きものの絶滅のいくつかに関係していると見られている。
- 地球には磁場があり、宇宙の放射線をさえぎっている。しかし、磁場は不変ではなく、消滅や逆転を繰り返してきた。地球のS極(北側の極)は北極点とは一致せず、2010年にはグリーンランドの北西端にあり、北西へと移動し、年々、磁力も弱まっている。最後の磁場の逆転から78万年、このまま磁場は消滅し、ひっくり返るのだろうか?
- 氷河期は何度も繰り返され、生きものの絶滅や進化に影響を与えた。約22億年前と7億年前には地球全体が凍りつくほどの気候になり、大規模な噴火によって何とか解消した。この前後には酸素が大量に発生したり、大型生物が出現したりと大異変が起こった。現在は前の氷河期が1万年前に終わったはざまの時期。新たな氷河期到来を予想する学者は少なくない。