職業情報
消防官
消防官はどんな仕事?
消防官の実際火災の消火活動や、ケガ人・病人への救急活動を中心にする消防官の仕事は、実に幅広い分野にわたっています。119番通報を受け、出動指令をかけると共に災害現場の情報を正確かつ迅速に伝達する「指令業務」。消防車両や消防ヘリコプター、消防艇を活用し、火災時の消火活動にあたる「消火業務」。自然災害や事故が発生した際に出動する、専門的に救助技術を身に付けたレスキュー隊が人命救助にあたる「救助業務」。水難事故に対しては水難救助隊、山岳事故に対しては山岳救助隊や航空隊、震災や建物の倒壊・土砂崩れなど大規模災害には大型重機を備えたハイパーレスキューが出動します。急病人やケガ人に対して、応急処置や救命処置を行い、医療機関に搬送する「救急業務」。大規模災害に見舞われた外国に対して救助隊を派遣する「国際消防業務」。電気・科学・機械など、さまざまな分野の知識を駆使して火災の発生原因を究明する「火災原因調査業務」。そのほか、建物の安全性を確認する「火災予防業務」や防災意識の啓発にあたる「指導・広報業務」などがあります。いずれも専門的な知識・技術を持ったスペシャリストが担当しています。
消防官になるには?
市町村によって違う採用試験消防業務は市町村単位で実施するのが原則のため、採用試験の日程・内容もそれぞれの自治体独自で異なります。札幌市を例にあげると、試験区分は「大学の部」「短大の部」「高校の部」の3つに分かれていて、それぞれ卒業(見込み)者、または消防長が同等の学力があると認めた者が受験できます。試験は1次と2次があり、1次は筆記試験(一般教養試験)。2次は身体検査、作文試験、適性検査、体力検査、面接試験が行われます。人気の職種ですが採用人数は少なく、年度によっては採用試験が行われない場合もあるので、受験する場合は問い合わせ・確認を忘れずに。ちなみに、札幌市の平成17年度は大学の部の採用はなく、短大の部は若干名、高校の部は15名程度でした。試験合格は狭き門ですが、消防官は市民の安全な暮らしを守る誇り高い仕事です。
消防官の一日
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1.消火活動
火災が発生した際に、現場へいち早く駆けつけて消火活動にあたります。火災から住民の生命・身体・財産を守ります。
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2.救命活動
急病人やケガ人の元へ駆けつけて、止血・心肺蘇生・酸素吸入など応急処置や救命処置を行い、いち早く医療機関に搬送します。
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3.山岳救助
特殊な訓練を積んだレスキュー隊の中でも、特に山岳救助技術を専門的に身につけ、山で遭難した人などを救助します。
消防官の現状・将来性
都市部における建物の大規模化や用途の多様化、社会の高度情報化や国際化など、都市構造や生活様式の急速な変化に伴い、特殊災害や化学災害も増え、災害の複雑多様化の傾向が強くなっています。また、高齢化社会が進み、救急需要も増加。プレホスピタルケア(病院に着くまでの処置)の重要性が指摘される中、より専門的で高度な活動が求められています。阪神・淡路大震災での被害を教訓とした震災対策の強化も、消防行政の重要な課題の一つと言えるでしょう。これらを背景に、消防行政は今後も引き続き整備を続ける必要があり、消防官の需要は今後も継続的にあります。お仕事DATA
- 平均収入
- 市町村によって異なりますが、東京消防庁消防官1類の初任給の場合、約23万円程度(ほか諸手当)です。
- 勤務時間
- ポジションによって異なります。いかなる緊急時にも対処するために、ローテーション制での勤務がほとんどです。
- 必要資格
- 市町村が実施する「消防官採用試験」に合格すること。身体要件を満たされている必要があります。