2020東京五輪の全競技種目が決定【スポーツ】

2020東京五輪の全競技種目が決定


【約1万1千人が33競技339種目に参加】
 国際オリンピック委員会(IOC)は6月9日、スイスのローザンヌで理事会を開き、2020年の東京オリンピック競技大会の全競技種目と選手数の上限を決定しました。IOCの発表によると、東京オリンピックでは28の中核競技321種目と、新たに東京五輪組織委員会提案の5競技18種目を加えた33競技、339種目で実施されます。そしてこれらの競技に参加する選手数の上限は1万1090人と決定しました。

2020東京五輪の全競技種目が決定 - 肥大化抑制のため実施競技の見直し -
 近代オリンピックは、フランスのクーベルタンの提唱で、1896年にギリシャのアテネで第1回オリンピック競技大会が開催されました。アテネ大会では、14か国241人の選手が8競技43種目で力と技を競いました。その後、大会を重ねるごとに参加国や参加選手が増え、前回の31回リオデジャネイロ大会では、205の国・地域が参加し、約1万500人の選手が28競技306種目に参加しました。
 オリンピックの規模拡大で、競技場の増設や宿泊施設の整備、さらに警備などに莫大な費用がかかり、開催を希望する都市の減少や、開催できる都市が限定されるなど、規模拡大に伴う諸問題が起こってきました。このため、IOCは2007年の総会で、オリンピック大会の肥大化を抑制する目的で、2020年の東京大会以降は、最大で28の中核競技で実施することを決めました。中核競技は特別な問題が起こらない限り、五輪の実施競技から除外されません。
 さらに、中核競技以外にオリンピックを盛り上げるため、追加枠として開催都市が提案できる「その他の競技」があります。東京オリンピックでは東京五輪組織委員会が提案した8競技の中から、5競技18種目が採択されました。
2020東京五輪の全競技種目が決定 - 男女混合種目や若者志向の種目が増加 -
 東京大会で実施される28競技では、新たに3人制バスケットボール「3×3」の男女や、卓球のミックスダブルス、柔道団体戦の男女混合、水泳の混合メドレーリレー、アーチェリー団体混合、トライアスロン団体混合リレーなど16種目が追加されました。
 東京大会の特徴は、国際的に高まる男女平等の推進、反ドーピング、若者の参加という風潮を色濃く反映していることです。その一例として、ボクシングの男子2階級が削減され、女子に2階級が導入されました。フェンシングやアーチェリー、柔道、卓球、水泳などに混合種目が採択されています。この結果、混合種目はリオデジャネイロ大会の9種目から18種目に倍増しています。しかし、混合種目の多くは従来の団体男女を男女混合団体に変更するなど、男女平等を推進しながら参加選手増にも配慮しています。また、ドーピング違反が相次いだ陸上競技や重量挙げなどでは参加選手を大幅に削減するなど、ドーピングに対するIOCの厳しい姿勢を示しています。
 多くの若者を取り込む工夫も見られます。新しく導入された3人制バスケットボール3×3は若者の遊びから発展したといわれています。自転車のBMXフリースタイルも同様です。また、東京大会で追加種目として採用された、スケートボードやスポーツクライミング、サーフィンも若者を中心に人気を集めている競技です。
2020東京五輪の全競技種目が決定 - 東京大会の追加5競技とは -
 野球・ソフトボールは2008年の北京オリンピック以来、3大会ぶりの復活です。日本発祥の空手、若者に人気のあるスケートボード、スポーツクライミング、サーフィンの4競技はオリンピックで初めて採用された競技です。
 野球が正式にオリンピック競技になったのは1992年のバルセロナ大会です。以降、2008年の北京大会まで5大会連続で行われ、日本は銀メダル1、銅メダル2の成績を残しています。女子のみが参加するソフトボールは、1996年のアトランタ大会から採用され、2008年の北京大会まで開催されました。日本チームの成績は、北京大会で金メダル、2004年のアテネ大会では銅メダル、2000年のシドニー大会では銀メダルを獲得しています。
 沖縄をルーツとする空手は、流派を超えて世界的な広がりを見せ、1970年には日本武道館で第1回世界空手道選手権大会が開催されました。東京五輪では形(男・女)、組手3階級(男・女)の8種目が行われます。
 1940年代に、カリフォルニアで木の板に鉄製の戸車を付けて滑った遊びがスケートボードの始まりとされています。東京五輪では、お椀型の湾曲した滑走面を走る「パーク」と、街中に存在する階段や敷石、斜面や手摺などを模したコースを走る「ストリート」の2競技が行われます。両種目とも男女が参加し、難易度、ルーティーン、スピード、オリジナリティなどを競います。
 スポーツクライミングは3つの種目(リード、ボルダリング、スピード)を組合せて行います。リードは、ロープで確保された選手が12mを超える壁に設定されたコースを登り、制限時間内での到達高度を競います。ボルダリングは、5m以下の壁に設定された複数のコースを、制限時間内にいくつ登れたかを競います。スピードは、15mの壁をいかに早く駆け上るかを争います。通常は単種目として行われますが、オリンピックでは男女とも3種目の合計で順位を決めます。
 サーフィンは、選手が波に乗りながら難度が高く独創性に富んだ技を繰り出し、その技を複数の審査委員が採点します。各選手が獲得した得点の中から2本の高得点の合計によって勝敗を決めます。
 これらの競技は開催都市提案で受け入れられたもので、次回の2024年大会以降、再び実施されるかは未定です。
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